トランポリンが最も盛んな県はどこの県かご存知ですか?
そう、それは石川県です。
石川県はトランポリン王国と言われるくらいトランポリンが盛んな県で、たくさんの一流選手やオリンピアンを輩出してきました。
ではなぜ、石川県がトランポリン王国と呼ばれるようになったのでしょうか?
☆石川県がトランポリン王国と言われる所以
トランポリン競技の日本一を競う全日本トランポリン競技選手権大会の成績を見てみましょう。
なんと!直近10年間で石川県関係選手が、女子で8回優勝・男子で6回優勝しています。
しかも、そのほとんどの選手が連覇という記録を収めており、団体競技やシンクロ競技でも常に好成績を挙げています。
また、選手の大会成績のみならず、石川県はトランポリン競技の登録指導者数やコーチ数、普及指導員数が全体の15%前後を占めています。
国内の総人口の1%に満たない人口の石川県に、これだけの指導者がいるのです。
これはすごいことですね。
たくさんの一流選手やオリンピック選手を輩出しただけでなく、こういったことからもトランポリン王国と言われる所以となってます。
(データは日本体操協会2020.3現在)
☆なぜ王国を築くような県になったのか
その背景として1980年代ごろより、県内の公民館や近所の体育館など身近な場所にトランポリン置いてあり、多くの方が親しんだ歴史によるものだと言われてます。
その礎を築いたのは、金沢学院大学名誉教授の塩野尚文氏です。
大学時代にトランポリンと出会った塩野氏は、1974年には石川県トランポリン協会を発足し、「どのようにしてトランポリンを普及させようか?」と思案した結果、女性の運動不足解消に役立てようと「ママさん教室」を開講されました。
楽しみながらトランポリンに親しんでもらうことで、競技人口の増加を狙ったと言われてます。
「ママさん教室」には、子どもたちが付いてきて、自分もやりたいという子どもが多く現れました。
その子どもたちをトランポリンの選手候補にするのが、塩野氏の狙いでもあったのです。
その後、塩野氏は、石川県体育館の職員となり、ママさんのトランポリンクラブを二つ立ち上げ、二つのクラブを競わせることで選手のレベルを上げていきました。
また、「ママさん教室」で指導を受けたママさんの中には指導者として県内各地で活動する人達が出てきたことで、トランポリン人口の拡大に繋がったと言われてます。
塩野氏にはもう一つの功績があり、トランポリンをレクリエーション・スポーツとして楽しむ方法として「シャトルゲーム」を考案されました。
「シャトルゲーム」は、2台のトランポリンで二人の選手が交互に跳びながら、一つずつ技を増やしていくゲームで、全国スポーツレクリエーション祭の種目としても採用されました。
また、トランポリンで空中感覚を養う「エアリアル・トレーニング」として広めるため、バッジテストを考案し今でも全国で実施されています。
自分の上達ぶりをチェックできるバッジテストは、才能ある選手の発掘の場にもなっています。
塩野氏は、「ママさん教室」を通じてトランポリン人口の裾野拡大に努めるとともに、教室に母親と一緒に来た子供達の中からトランポリン選手の候補を発掘し、日本のトップレベルへと育て上げていきました。
競技スポーツと生涯スポーツの両面で普及活動に取り組み、石川を全国に誇るトランポリン王国へと発展された方です。
こういった背景から、石川県の公民館や町の体育館にトランポリントランポリンがあったのかもしれません。
トランポリンがより身近で親しみやすいものであることが、トランポリン競技数を増やし、多くのトランポリン選手を輩出することにつながっていると考えれます。
塩野氏の偉業に比べれば恐れ多いかもしれませんが、私達もトランポリンやトランポリンパークの普及を促進したいと考えてます。
そして、よりトランポリンが身近なものとなることで、日本のトランポリン人口の増加、ひいてはよりハイレベルなオリンピック選手の輩出に貢献できたらと考えてます。